スペインの第二の都市『バルセロナ』は誰も知っているサグラダ・ファミリアで有名な『アントニ・ガウディ』の建築で溢れている。ガウディ建築はバルセロナの象徴でほぼ全ての作品が世界遺産に登録されている。
バルセロナの有名観光スポットは建築物がほとんどで、ガウディの建築やバルセロナの有名な建築物をバルセロナの街並みと一緒に紹介していく。
バルセロナはヨーロッパでも大きな港町の一つで中心部からすぐそばには海が内陸に少し行けば山・丘がある地理的にも魅力がいっぱいの街だ。
海沿いからカタルーニャ広場まで約1.2キロのランブラス通りはバルセロナの中心を貫く象徴的なストリートになっている。
ランブラス通りの終わりにはバルセロナの主要交通網の地下鉄のCatalunya駅が。バルセロナのほとんどの観光スポットは地下鉄で行くことができる。
ランブラス通りはバルセロナ旧市街にも位置していて、カテドラル「サンタ・エウラリア大聖堂」や「王の広場」などバルセロナの歴史が街のど真ん中で感じられる。
旧市街は狭い路地が迷路のように入り組んでいて冒険しているかのようで楽しい場所だ。
バルセロナは世界的なサッカークラブ「FCバルセロナ」の本拠地でもあり、ホームスタジアム『カンプ・ノウ』はヨーロッパで最も多い約10万人を収容する巨大なサッカースタジアムがある。
-
FCバルセロナ スタジアム『カンプ・ノウが改修、新スタジアム完成まで別の場所』
スペインのバルセロナを拠点とするFCバルセロナのホーム『カンプ・ノウ』はヨーロッパ最大の収容人数99,354人の巨大なサッカー専用スタジアムだ。カンプ・ノウは何度も増築して収容人数を増やしてきたが、初
FCバルセロナ
サグラダ・ファミリア『未完の世界遺産』
ガウディが凄いのはデザインを考える意匠設計から構造設計、細かい装飾のデザイン、『サグラダ・ファミリア』は宗教観も設計に取り入れてほぼ一人で全てを設計しているところだと思う。
現在の建築設計者(この建築をつくった人)はデザインを考える意匠設計だけで、構造や設備は別でやることがほとんどだ。ガウディは細部のデザインから構造体や機能性などを頭の中でイメージしながら一つの建物を設計するので、とんでもなく凄いものができるのだと思う。
『サグラダ・ファミリア』は『1883年』に着工した未完成のカトリック教会で、着工から『140年以上』かかった『2026年』に完成する予定だと発表されている。写真で2016年建設途中のサグラダ・ファミリアに訪れた様子を紹介する。
サグラダ・ファミリアの建設費用は寄付と入場料で賄われていて、AFP通信の情報だと2019年までに約3億7400万ユーロの費用がかかっている。
未完成にも関わらず世界遺産に登録されていて、入口付近も建設途中なので訪れた人は工事中のなかを見学する形となる。
工事は日々進められていて交通量が多い道路のすぐそばなことにも驚いた。
俺が行ったときには裏側入口の彫刻はほぼ完成していて、細かい細部までこだわった緻密なデザインの凄さに圧倒された。
すぐ横をひっきりなしにクレーンが動き回っていて、非日常感と現実とのギャップも面白い。
内部の礼拝堂
サクラダ・ファミリア内部に入って一番に目を引くのが高い綺麗な模様の天井。
樹木のような柱が何本もそびえ立っていて柱の隙間から太陽光がしっかりと入るように設計され、ガウディの考え「自然との調和」が体現されている空間になっている。
サクラダ・ファミリアの塔の上へ
エレベーターや階段で上部に行くこともできる。
サクラダ・ファミリアの塔や外壁が近くで体験でき、工事が進められている様子も見学することができた。
展示・制作現場
サクラダ・ファミリアの模型や資料が展示された制作現場を見学することもできる。
1980年代には「完成まであと300年かかる」と言われていたが、3D構造解析による技術の進化や現場の人の努力に寄って半分の工期で完成することができそうだ。
2010年にはローマ法皇の献堂式が行われ、サグラダ・ファミリアは着工から128年目で未完ながら正式な教会となった。
また、スペイン内戦でガウディが残した模型や設計図といった資料が焼失し、残った資料やガウディの思想をもとに推測しながら設計が行われているのも、完成までに時間がかかる理由の一つになっている。
グエルとの出会いからできた『ガウディ建築』
ガウディは1878年のパリ万博で繊維会社の経営者『グエル』と出会ったことで、才能を認められ40年以上パトロンとして支援されることになる。
グエルから設計を依頼された『グエル邸』『グエル公園』『コロニア・グエル教会』は全て世界遺産になっている。
グエル邸
グエルの邸宅としてつくられた『グエル邸』は唯一バルセロナ旧市街にあるガウディの建築だ。
グエル公園
グエルはバルセロナの街から近い丘を購入、ガウディと自然と芸術が調和した分譲住宅をつくろうと計画する。
購入したのはグエルとガウディのみで1914年に未完で終わってしまい、別荘1軒しか建てられず現在のグエル公園になっている。
自然からインスピレーションされた曲線的なデザインや粉砕タイルがカッコいい。
コロニア・グエル教会
バルセロナの街から少し離れた小さな教会『コロニア・グエル教会』も未完のまま終わってしまったガウディ建築。
街の繊維工場で働く労働者のためにつくられ、小型サクラダ・ファミリアという感じになる予定だったが地下礼拝堂のみで上層は未完成になった。
カサ・ミラ『ガウディ最後の民間住宅』
波のような曲線的な住居『カサ・ミラ』はバルセロナの主要なグラシア通りにある。ガウディが実業家ペドロ・ミラの依頼で54歳に設計した民間住宅としては最後の作品。
1906年から1910年にかけて建設された地下1階・地上6階のオーナーの住宅兼賃貸住宅で世界遺産に登録されている。
屋上から見学がスタート
住宅だが見学することもできてエレベーターで屋上から見学がスタート。屋上は全てが曲線的で波を打ったような独特のデザインになっている。
中庭を囲むように部屋が配置されている。
アーチ構造の屋根裏
カサ・ミラの最上部の屋根裏は放物線のアーチ構造になっていて、カサ・ミラの模型やガウディの設計した椅子などが飾られている。
住居部分は住んでる人も
カサ・ミラには世界遺産となったいまでも4世帯が住んでいる珍しい住宅で、居住の一部は開放されていて見学できる。
もうひとつの住宅『カサ・バトリョ』
同じくグラシア通りにあるガウディ設計の住宅『カサ・バトリョ』は海をイメージした建物で、カサ・ミラと同様にいまでも住んでいる人がいる珍しい世界遺産。
ガウディ独特の曲線上の内観や照明など内部も美しいデザインになっている。
『サン・パウ病院』『カタルーニャ音楽堂』
ガウディの同時代に活躍したモンタネールの代表的な建築『サン・パウ病院』は28年の長い期間をかけて建てられ、2009年まで実際に病院として使われていた。
モンタネールの最高傑作といわれる『カタルーニャ音楽堂』とともに世界遺産に登録されている。
『カタルーニャ音楽堂』はバルセロナ旧市街にあって、世界遺産に登録されたいまもコンサートホールとして使われている。
バルセロナ・パビリオン『ガウディと真逆の直線的な建築』
『バルセロナ・パビリオン』はドイツ人の近代建築の三大巨匠の1人『ミース・ファン・デル・ローエ』によって1929年のバルセロナ万博のドイツ館として設計された。
ガラス・鉄・石・水面で構成されるモダニズム建築の傑作の一つとして知られている。
ガウディ建築の特徴の曲線的なデザインとは真逆で、建物の外壁や屋根から水面まで全てが直線的に統一されている。
-
近くにある有名なスポット
スペインのバルセロナを拠点とするFCバルセロナのホーム『カンプ・ノウ』はヨーロッパ最大の収容人数99,354人の巨大なサッカー専用スタジアムだ。カンプ・ノウは何度も増築して収容人数を増やしてきたが、初
モンジュイックの丘
トーレ・アグバール『バルセロナの新しいランドマーク』
『トーレ・アグバール』は高さ144.4mの38階で2005年に完成した新しいバルセロナのシンボル的な高層建築になった。
建物には4500枚のガラスのブラインドが配置され、気温センサーと連動して陽の光を遮るように角度が自動調整される。
トーレ・アグバールはオフィスビルなので展望台を除いてはふつうに入ることはできない。近くには駅があって多くの人はトラムを使って通勤しているようだった。