文明大国イギリスの首都『ロンドン』を流れるテムズ川沿いには『ビッグベン』『ロンドン塔』『セントポール大聖堂』『グリニッジ天文台』などのイギリスの歴史的遺産が点在し、過去と現在が調和した空間が広がっています。
ロンドンの風景で最も象徴的な大きな時計台『ビッグベン』は実際に目の当たりしてあまりの美しさに感動しました。
つくられた1859年当時はビックベンは世界で最も正確な時計で、時間の正確な計測と管理の技術がイギリスの産業革命の発展にも大きく影響を与えている。
いまはスマホで狂いのない時刻をいつでも簡単に確認できるが、超巨大な時計を電池・電気なしで正確な時刻を刻める技術力はイギリスの文明の高さを象徴している。
15分毎に鳴らさせれるビックベンの鐘の音のメロディーは、日本の学校のチャイムの音「キーンコーンカーンコーン」にも使われている。
ビッグベンはイギリスの国会議事堂『ウエストミンスター宮殿』の一部で世界遺産にも登録されている。
イギリス議会制度は明治維新の日本において「立憲君主制」「二院制」といった民主主義と法の模範として、日本の政治制度の形成に大きな影響を与えた。
国会議事堂のすぐそばにはイギリス国王の戴冠式が行われる国教会『ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)』がある。
ニュートンやダーウィンなどイギリスを代表する偉人が眠っている場所でもある。
テムズ川のほとりのこのエリアはロンドンの景観の中でも特にキレイな場所で、反対側にある観覧車『ロンドン・アイ』からはロンドンの美しい景観を楽しめる。
テムズ川に架かる最も古い橋の一つ『ロンドン橋』はその起源はローマ時代に遡り、何世紀にもわたって何度も再建されてロンドンの発展と共に変遷を遂げてきた。
現在のロンドン橋は1973年につくられた橋で、ロンドンの歴史と文化を感じることができる特別な場所になっている。
何度も置き換わってきたロンドン橋は1831年につくられた橋は1968年に売却され、解体・輸送されていまはアメリカのアリゾナ州にあるレイクハバスの湖岸と島をつないでいる。
新しい橋に何度も置き換わってきたロンドン橋を象徴とした童謡曲「London bridge is falling down(ロンドン橋落ちる)」としても有名になっている。
テムズ川に架けられた最も象徴的な橋『タワーブリッジ』は夜には美しくライトアップされ、ロンドンの幻想的な景観を楽しむことができる。
船の公共交通機関「リバーバス」をつかえば、テムズ川を移動することができる。
古代からテムズ川は経済活動の中心としてロンドンの交通・輸送の重要な役割を果たしてきたが近代化が進むにつれ新しい交通手段が登場している。
ロンドンの『地下鉄』(通称:チューブ )は1863年に開業した世界で最も古い地下鉄で、現在でもロンドンで最も主要な公共交通機関となっている。
そしてロンドンの象徴的な交通手段の『ロンドンバス』は赤い車体の2階建バスとしてロンドンの街並みの一部になっている。
地下鉄・バスをつかえばロンドンの主要な観光スポットには簡単にアクセスできる。
実際にロンドンに何度も訪れた経験をもとに、テムズ川沿いのロンドンの主要な観光地『ロンドン塔』『セントポール大聖堂』『グリニッジ天文台』や『博物館・美術館』などを紹介していく。
-
https://keita-inagaki.com/beatles/
Amazon Music Unlimited キャンペーン
ロンドン塔『Tower of London』
テムズ川沿いにそびえ立つ約1,000年の歴史ある『ロンドン塔』は、世界遺産に登録されている複雑な構造の城塞だ。
ノルマンディー公「ウィリアム1世」がフランスから上陸して、イギリスを支配した1066年のノルマン征服後に建設が始まり、拡張・改築され14世紀頃に現在の形になった。
ウィリアム1世からいまのイギリス王室が始まって、現在の国王チャールズまで約1,000年間の長い歴史があります。
ノルマン征服は歴史的な大きな転換点でイギリスを異民族が支配する最後の事例。その後ナポレオンやヒトラーでさえもイギリスブリテン島に上陸さえできていない。
塔内の建物と雰囲気
最初に建てられた中央にある『ホワイト・タワー』を取り囲む形で別の塔や建物・要塞で構成されている。
『ジュエルハウス』にはイギリス王室の戴冠式に遣われるクラウンジュエル(王冠など)が保管され、『ブラッディタワー』は昔は身分の高い重要人物が囚人として収監する牢獄としても使われていた。
1,000年の歴史あるロンドン塔の景色はこんな感じ。
ロンドン塔のカラス
ロンドン塔では「塔のカラスが去ると、王国が滅びる」という言い伝えがあって、ロンドン塔のカラスが全ていなくなるとイギリスが滅亡して塔も崩壊してしまうと言われている。そのためカラスは塔の一部として特別に飼育・保護されている。
塔内では赤い線の入った紺色の服を身にまとった『ヨーマン・ウォーダーズ』と呼ばれる近衛兵が観光ガイドやカラスの世話などの業務を行っている。ヨーマン・ウォーダーズは実際にイギリス軍で最低22年間の奉職経験と善行章の受勲経験のある限られた人しかできない規則がある。
都心ビルとタワー・ブリッジに囲まれて
ロンドンの中心部なので周りには多くの高層ビルが建ち並び、テムズ川の反対側にはロンドン市庁舎が。
タワーブリッジの名前の由来はロンドン塔の『Tower of London』から名づけられた。
バッキンガム宮殿との違い
ロンドンにあるイギリス王室の重要な建物としてロンドン塔とならんで『バッキンガム宮殿』があるが現在の役割は全く違う。
バッキンガム宮殿は王室の住居や公務の中心となっているが、ロンドン塔は過去の王室の歴史を伝える博物館としての役割を担っている。
セントポール大聖堂『St. Paul's Cathedral』
『セント・ポール大聖堂』はイギリスのバロック建築の傑作として知られ、1710年に完成した後はロンドンのランドマークとしての役割もある象徴的な建築の一つになっている。
セントポール大聖堂の周囲の建物には高さ制限があって、ロンドンのさまざまな場所から大聖堂のドームを見えるような都市設計がされている。
ミレニアム・ブリッジ『Millennium Bridge』
すぐそばのテムズ川に架かる『ミレニアム・ブリッジ』からだと、セント・ポール大聖堂を正面から見られる絶景スポットになっている。
ミレニアムを記念した吊り橋として開通した2,000年の開通直後には、歩行者の動きに共振して大きく揺れる現象が発生したため3日で閉鎖された。大規模なダンパーの導入による修正工事のち2002年に再開通した経緯がある。
個人的にはロンドンの夜景でセントポール大聖堂とミレニアム・ブリッジの一番綺麗で感動した。
テート・モダン『Tate Modern』
セント・ポール大聖堂のテムズ川の反対側には、現代アート美術館『テート・モダン』がある。美術館からはセント・ポール大聖堂とミレニアム・ブリッジの2つを見ることもできる。
ロンドンの博物館・美術館
ロンドンのほぼ全ての博物館・美術館は無料で入れることができる。
多くのロンドンの博物館・美術館は政府からの助成金を受けてるので入場料を無料にすることができている。多くの人に教育や文化に対して平等にアクセスができるようにというイギリスの考えがあるようだ。
博物館・美術館目的で訪れる観光客にとっても大きなメリットで、ロンドン都市全体の経済にプラスの影響を与えているようだ。
大英博物館『British Museum』
イギリスを代表する『大英博物館』はギリシャ神殿のようなエントランスからなかに入ると、柱がないグランド・コートの広場にガラス屋根から光が射し込む空間になっている。
大英博物館にはエジプトやギリシャ、モアイ像まで世界中の様々な歴史的・文化的に貴重なコレクションを鑑賞することができる。
世界各地に植民地を築いた大英帝国時代に強奪するような形で収集された美術品も多くあって、有名なロゼッタ・ストーンはエジプトから返還を求められていたりもする。
ロンドン自然史博物館『Natural History Museum』
『ロンドン自然史博物館』は1881年に大英博物館の自然史部門として独立して開館した。
ヴィクトリア朝ゴシック様式の建築がとてもキレイで、とくにメインホールはとても美しい空間になっている。
ロンドン出身のロックバンド「Coldplay」の特別なライブがメインホールで行われたこともある。
恐竜の骨格標本から地球の形成や生物の進化など、世界中から集められた自然史の膨大なコレクションを展示されている。
超巨大なシロナガスクジラなどの哺乳類の模型が集まるエリア「ブルー・ゾーン」は圧巻だ。
日本の阪神淡路大震災の展示や地震シミュレーターで揺れを体験できるスペースもある。
ヴィクトリア&アルバート博物館『Victoria and Albert Museum』
『ヴィクトリア&アルバート博物館』は装飾美術・デザインの歴史を体験できる博物館として『V&A』の相性で愛されている。
自然史博物館と同じくヴィクトリア朝の建築のキレイな空間が広がっていて、エントランスのドームには大きな象徴的なジュエリーが飾られている。
ヨーロッパの中世からルネサンス期の彫刻などが、ギャラリーごとに分かれて展示されている。
宝飾品や図書館のほかにも日本刀・鎧・浮世絵も展示されている。
ナショナル・ギャラリー『National Gallery』
『ナショナル・ギャラリー』は13世紀から19世紀までの西洋絵画を鑑賞できる絵画専用の美術館といった感じ。誰もが知っているゴッホの「ひまわり」をみることもできる。
またトラファルガー広場が隣接していてので多くの人が集まる場所になっている。
グリニッジ天文台『Royal Observatory Greenwich』と河港都市
世界遺産に登録されているロンドン中心部から少し離れたテムズ川沿いの河港都市グリニッジにある天文台『グリニッジ天文台』は世界の時間の基準になっている場所です。
ビッグベンに代表される正確で巨大な時計を製造できる技術力を持っていたことも、イギリスが世界の時刻の基準になった要因になっている。
また経度0度の基準点「グリニッジ子午線」に定義され、東経と西経のゼロ地点の場所でもある。
天文台は広大なグリニッジ公園の高台にある。
グリニッジ天文台は博物館として一般公開されていて、歴史的な天文機器や時計、天文学に関する展示を見学できる。
グリニッジを基準とした標準時刻をGMT『Greenwich Mean Time(グリニッジ標準時)』といい、世界の時刻の基準に定義されている。
この基準に対して±時間数で表されていて、日本標準時(JST)はGMT+9で基準より9時間プラスなので、日本とイギリスの時差は9時間あることを表している。
国立海洋博物館『National Maritime Museum』
グリニッジには世界で最も大きい海事博物館の一つ『国立海洋博物館』があって、イギリスの海洋史の歴史を学ぶことができる。
イギリスが世界の強国として国際的な影響力や経済発展したのは、海軍力の進化・戦術や技術革新によるものが大きいのでイギリスの海事史を学ぶ価値はたかい。
河港都市グリニッジには他にも、王室の宮殿だった博物館「クイーンズ・ハウス」や、イギリスが世界の強国に原動力となった海軍の人材を排出していた旧王立海軍大学もある。