スペインの第二の都市『バルセロナ』には、サグラダ・ファミリアで有名なアントニ・ガウディの建築や有名な建築物がたくさんある。
バルセロナはヨーロッパでも大きな港まちの一つで、中心部からすぐそばには海が、少し歩けば山・丘があって地理的にも魅力がいっぱいです。
バルセロナのみどころのガウディ建築やきれいなまちや自然を、僕が訪れた経験をもとに紹介していきます。
ランブラス通りは海沿いからカタルーニャ広場まで約1.2キロ、バルセロナの中心を貫く象徴的なストリート。
海沿いから歩いた終着点には、バルセロナの主要交通の地下鉄Catalunya駅があって、バルセロナのほとんどの観光スポットは地下鉄で行くことができます。
ランブラス通りはバルセロナ旧市街にも位置して、サンタ・エウラリア大聖堂・王の広場などでバルセロナの歴史を感じられます。
旧市街は狭い路地が迷路のように入り組んで、冒険をしているような感じで楽しい。
バルセロナには世界的なサッカークラブFCバルセロナがある。
ホームスタジアム『カンプ・ノウ』はヨーロッパで最も多い、約10万人を収容する巨大なサッカースタジアムで、観光するのも面白いところです。
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FCバルセロナ
サグラダ・ファミリア『未完の世界遺産』
『サグラダ・ファミリア』は1883年に着工した未完成のカトリック教会で、着工から140年以上かかった2026年に完成する予定だと発表されている。写真は僕が2016年建設途中のサグラダ・ファミリアに訪れた様子です。
ガウディがすごいのはデザインを考える意匠設計から構造設計、細かい装飾のデザイン、サグラダ・ファミリアは宗教観も設計にとりいれ、それを全てほぼ一人で設計しているところ。
現在の建築設計者(この建築をつくった人)はデザインを考える意匠設計だけで、構造や設備は別でやることがほとんど。ガウディは細部のデザインから構造体や機能性など、全てを頭の中でイメージしながら一つの建物を設計するので、とんでもなくすごいモノができるのだと思う。
サグラダ・ファミリアの建設費用は寄付と入場料で賄われ、AFP通信の情報だと2019年までに約3億7400万ユーロの費用がかかっている。
未完成にも関わらず世界遺産に登録されていて、入口付近も建設途中なので訪れた人は工事中のなかを見学する形です。
道路は本当にすぐそば。交通量が多い道路のよこで、工事が日々進められていることにかなり驚きです。
僕が行ったときには裏の入口の彫刻はほぼ完成して、細かい細部までこだわったデザインがかなり緻密だった。
すぐ近くにはひっきりなしにクレーンが動き回っていて、非日常感と現実とのギャップも面白いですね。
内部の礼拝堂
サグラダ・ファミリアのなかに入って一番に目を引くのが、きれいな幾何学模様の高い天井です。
樹木のような柱が何本もそびえ立ち、柱の隙間から太陽光がしっかりと入るように設計され、ガウディの考える「自然との調和」が体現されている空間になっている。
塔の上へ
エレベーター・階段で上に行くこともできる。
上がってみると、サグラダ・ファミリアの塔や工事の様子が間近に。
展示・制作現場
地下にはサグラダ・ファミリアの模型や資料が展示され、制作現場を見学することもできます。
1980年代には完成まであと300年かかるといわれていたのが、3D構造解析による技術の進化やRC構造(鉄筋コンクリート)によって半分の工期で完成できそう。
ただガウディの設計はヨーロッパの教会の伝統的な石積みだったのが、途中からRC構造が導入されたことで、僕は完成が早くなって嬉しい一方で残念な気持ちもあります。
また、スペイン内戦でガウディが残した模型や設計図が焼失、残った資料やガウディの思想をもとに推測しながら設計がされているのも、完成に時間がかかる理由の一つになっています。
2010年にはローマ法皇の献堂式が行われて、サグラダ・ファミリアは着工から128年目で未完ながら正式な教会になっている。
グエルとの出会いの『ガウディ建築』
ガウディは1878年パリ万博で、繊維会社の経営者『グエル』に才能を認められ、40年以上ずっとパトロンとして支援されていました。
グエルから設計を依頼されたグエル邸・グエル公園・コロニア・グエル教会は全て世界遺産になっている。
グエル邸
グエルの邸宅としてつくられた『グエル邸』は、バルセロナ旧市街にある唯一のガウディ建築。
グエル公園
グエルはバルセロナのまちから近い丘を買って、ガウディと一緒に自然と芸術が調和した分譲住宅を計画した。
ただ住宅を購入したのがグエルとガウディだけで、1914年に未完で終わってしまって別荘1軒しか建てられず、現在の『グエル公園』になっています。
ガウディが自然からインスピレーションされた曲線的なデザインや粉砕タイルがとてもかっこいい。
コロニア・グエル教会
バルセロナから少し離れた小さな教会『コロニア・グエル教会』も、未完のまま終わってしまったガウディ建築。
まちの繊維工場で働く労働者のためにつくられ、小さなサグラダ・ファミリアのような感じになる予定が、地下礼拝堂だけ完成して上層は未完成のままになっています。
カサ・ミラ『ガウディ最後の民間住宅』
波のような曲線的な住宅『カサ・ミラ』は、バルセロナの主要なグラシア通りにある。
ガウディが実業家ペドロ・ミラの依頼で54歳に設計した民間住宅として最後の建築で、1906年から1910年にかけて建設された地下1階・地上6階のオーナーの住宅兼賃貸住宅です。
屋上から見学がスタート
エレベーターで屋上から見学がスタート。屋上は全てが曲線的で波を打ったような独特のデザインになっている。
中庭を囲むように部屋が配置。
アーチ構造の屋根裏
カサ・ミラの最上部の屋根裏は放物線のアーチ構造になっていて、カサ・ミラの模型やガウディの設計した椅子などが飾られています。
住居部分は住んでる人も
カサ・ミラにはいまも4世帯が住んでいる珍しい世界遺産で、居住の一部は開放されていて見学もできます。
もうひとつの住宅『カサ・バトリョ』
同じくグラシア通りにあるガウディが設計した住宅『カサ・バトリョ』は海をイメージした建物で、カサ・ミラと同様にいまも住んでいる人がいる世界遺産です。
ガウディ独特の曲線的な内観や照明がとてもきれい。
ガウディのライバル建築家『サン・パウ病院・カタルーニャ音楽堂』
モンタネールはバルセロナ建築学校で教授をしているときにガウディに教えたこともある、のちにガウディのライバルになった同じ時代に活躍した建築家です。
代表的な『サン・パウ病院』は28年の長期間をかけて建てられ、2009年まで実際に病院としてつかわれていた。もう一つの代表作カタルーニャ音楽堂とともに世界遺産に登録されています。
モンタネールの最高傑作といわれる『カタルーニャ音楽堂』はバルセロナ旧市街にあって、いまもコンサートホールとして使われています。
バルセロナ・パビリオン『ガウディと真逆の直線的な建築』
『バルセロナ・パビリオン』はドイツ人のミース・ファン・デル・ローエの設計で、1929年バルセロナ万博のドイツ館としてつくられた建築です。
ガラス・鉄・石・水面で構成されるモダニズム建築の傑作の一つとして知られています。
ガウディ建築の特徴の曲線的なデザインとは真逆で、建物の外壁や屋根そして水面まで全てが直線的に統一されている。
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近くにある観光スポット
スペインのバルセロナを拠点とするFCバルセロナのホームスタジアム『カンプ・ノウ』は、ヨーロッパ最大の収容人数99,354人の巨大なサッカー専用スタジアムです。 初めての全面改修工事が行われていて、20
モンジュイックの丘
トーレ・アグバール『バルセロナのランドマーク』
2005年に完成した『トーレ・アグバール』は、38階・高さ144.4mのバルセロナのシンボル的な高層建築です。
建物全体を4500枚のガラスのブラインドに覆われ、気温センサーと連動して陽の光を遮るように角度が自動調整されます。
トーレ・アグバールはオフィスビルで展望台以外はふつうに入ることはできない。近くには駅があって多くの人はトラムを使って通勤しています。